ねむいつらいかえりたい

サブカルおばさんがいろいろがんばるはなし

東北3県ひとり旅してきた

 

4月18~20日に東北3県ひとり旅してきた。青森で寺山修司、岩手で宮沢賢治の足跡を辿ったあと、宮城沿岸部の被災地を見学して、松島観光という、効率性を一切無視した旅程ながらも、たらふく食べて現地の人に優しくしてもらって、最高に楽しい3日間だった。以下続く。

伊丹空港から三沢空港まで飛行機で移動。日本列島を横断する爆弾低気圧の影響で条件付き運航のなか、飛行機が2回ゴーアラウンドし、揺れに揺れる。自分でいうのもおこがましいけど、わたしが出張や旅行に行くたび季節外れの悪天候や台風で大体飛行機の運航が乱れるので、嵐を呼ぶんだと思う。

さらに三沢空港に到着した瞬間、予約したはずのレンタカーが日付を間違えていたことに気づき、その場で他のレンタカー会社に急きょ配車してもらう。こんな100%自分の過失にもかかわらず、キャンセル料もかからず、若干割高にはなったけどちゃんと手配してもらえたことに東北の人々の優しさを感じた…。

ほぼ車を見ない田んぼのなかの道路を進む進む。雨上がりで霧がものすごい。そして10分程度で寺山修二記念館に到着。空港からタクシーで片道約3000円かかるようなので、土日運行のバスがなければレンタカーで行く方が経済的です。

 

  • 寺山修二記念館

f:id:meteoxx:20170505034148j:plain

ど平日に行ったので貸し切り状態で展示をじっくり楽しむ。いくつもある寺山修二の机の引き出しを開けて、薄暗い照明のなか懐中電灯で照らし中を覗き見るという展示方法。文章で書いても読んでもピンとこないけどほんと最高だった。

f:id:meteoxx:20170505034144j:plain

中を見終わったら外に移動し、裏山の歌碑まで歩道を歩くんだけど、ちょうどこのとき青森の風が最大レベルで、アカマツの林がごうごうと揺れるほどだった。ものすごい荒涼としててまさに寺山修二ってかんじだった。

f:id:meteoxx:20170505034153j:plain

どうでもいい個人的な感想だけど、私は細々と小説とかを書いていて、でもそれも感受性細胞の死滅とともに意欲が衰えていて、もうこんなことは何の意味もないしやめるかと思ってたけど、この寺山修二の熱に触れて、無駄でも何でも意味のないものでも、つくることを続けていこうと思えた。どんな鳥だって想像力より高く飛ぶことはできない。

その後また車で八戸まで移動。八食センターという市場でいくらを食べまくる。とにかく東北の海鮮はめちゃくちゃうまい。

 

八戸から盛岡までは新幹線はやぶさで移動できるのだが、盛岡から新花巻まではこまちに乗り換える必要がある。車内でまたいくら盛りの駅弁を食べた後、盛岡で約1時間の待機。ひとり旅って、どうやって暇をつぶせばいいのか不安だったけど、正直暇なんて全くなかった。なぜなら次行きたい場所、食べたいものを全部自分で調べる必要があるからだ。よって暇もめちゃくちゃ楽しい。

新花巻駅に到着したのは夜8時。宮沢賢治全開のオブジェも暗闇のなかで何も見えない。というかこの駅、マジで何もない。即予約していたペンションのような民宿に向かう。(一本道なのにめちゃくちゃ迷う)

優しいお姉さんの暖かいおもてなしと、想像以上に新しく綺麗で広い部屋にテンションマックス。駅弁も食べたけど、思わずお土産に買ったせんべい汁カップを部屋で食す。せんべい汁、もう盛岡中のせんべいを買い占めてこれから食べる汁もの全部にぶち込みたい気持ちになるほどおいしかった。

 

マジでババアすぎて5時に目覚める。7時半には朝ごはんを食べ、開館に合わせて8時に宮沢賢治記念館へ徒歩で出発。私が外に一歩踏み出した瞬間から小雨が降りだす。新花巻駅から宮沢賢治記念館へは徒歩約20分くらい。行きは登りなので息がきれるババア。

そしてこの道中不思議な出会いをする。車道沿いの山道を歩いてたら、目の前から動物が歩いてきて、「こりゃ完全にイノシシだ…人もおらんし襲われる…」と思って背を向けながらも横目で見たらイノシシじゃなかった動物が私など意に介さず脇の森に入っていった。鹿にしてはずんぐりした胴体を思い出すに、きっとカモシカだったんじゃないだろうか。早朝に素敵すぎる出会いだった。

f:id:meteoxx:20170419081903j:plain

f:id:meteoxx:20170419101138j:plain

山の上にあるため300段の階段を登る必要があり、その疲労からの回復に15分要したババア。

開館1番に入館し、放映されるビデオを見ながら息を整えていると、背後から施設の方の会話が聞こえてくる。「最近若い人が来るね」「マンガかアニメの影響らしいわ」「へえ人気なんだ」すいません文豪ストレイドッグスのファンじゃないです!!!!

館内はいくつかのテーマに分かれて展示がされており、私はもう宮沢賢治を師とあがめているので(迷惑)一字一句逃さないよう真剣に鑑賞。残念ながら直筆の原稿なんかはなかったけど、複製でも賢治先生のナマの字を見られるだけで感動した。なんだか師に近づけたような気がした。何もかもが好きだ。そして好きでよかった。

 

イーハトーブ記念館では地元アマチュアカメラマンの方が撮影した昔の花巻の写真が展示されていた。レンタカーの手配はしておらず、イギリス海岸や羅須地人協会は訪れることを諦めていたので写真ででも見られてよかった。そして、いくつか関連書を購入。

f:id:meteoxx:20170419101805j:plain

f:id:meteoxx:20170419102028j:plain

f:id:meteoxx:20170419102043j:plain

童話村は、響く宮沢賢治オマージュの音楽がこわすぎて笑ったけど、フォトジェニックな展示方法がオサレでよかった。ここは期間限定のライトアップが人気なようですね。でも月夜のでんしんばんしらの音楽は怖すぎる。

 

友達のおみやげのため郵便局でゆうパックを送って、昼過ぎ早々に新花巻駅から仙台駅へ。

ここで初めて気づいたけど、はやぶさが新花巻通過するとき、“圧”が半端ない…!!新幹線ってこんな早いんか…?と思って調べたらほぼ日本最高速度だった。わざわざ新花巻に泊まった意味を感じた。新幹線に乗っている最中も、東北の山々を見て、あれが地理で習った北上山地!!とかいちいち感動した。登山する人の気持ちが微塵もわからんかったけどあの上に登って踏破したくなる気持ちならわかりそう。

 

  • 仙台駅

仙台駅到着即牛タン。ずんだ通り、牛タン通りのなかで一番並んでいた喜助をチョイス。本場の牛タンisクソ分厚い。クソうまい。ただ矯正中のババアの歯では少々食べにくく、時間がかかった。

さて腹も満たされたし、今日の宿である南三陸ホテル観洋に電車で移動するか…と駅改札に向かうと異変。

東北本線強風で運休。

f:id:meteoxx:20170505042515p:plain

えーーーーーー昨日の時点ではぜんぜん強風の影響なかったやん…。あっわたしが嵐を連れてきたのか…。

唯一動いている仙石線で移動しようとすると3時間以上かかり、夕食には間に合わない…。必死で乗換案内を検索し、邪道のようで唯一正解だった移動手段に挑む。

仙台駅から路線バスで1時間、BRTが運航している駅まで移動し、BRTでホテルに近い陸前戸倉駅へ(石巻以降は電車が復旧しておらずBRTというバスでの移動となる)

通常より1時間長い移動時間。これも旅の醍醐味か。

路線バスで降りたよくわからない駅で案の定道に迷い、たまたまそこを歩いているおばあちゃんにBRT駅まで案内してもらうことができた。話のなかでおばあちゃんの被災体験を聞いた。自分が今までテレビでしか知らなかった震災が当たり前の体験として目の前にある事実。駅でキップを売っているおばちゃん(この人たちはどこの職員なんだろう…)にまた色々話をしてもらう。テレビでは、強風による県内の被害状況を伝えていた。ワイも影響を受けた一人や。

 

  • 三陸ホテル観洋での宿泊

f:id:meteoxx:20170419180514j:plain

そして無事ホテルに到着して部屋から見える絶景に感動。この海が人の命を奪って、それを毎日目の前にしながら生きていかないといけない住民の気持ちは私にはわからない。ただ私が見た海は今まで見たことがないほど本当に綺麗だった。自然はそういうものだと私は思う。体験していないことを、わかったふりする気にはなれない。

晩御飯、もちろん一人で宴会場で食べる。かに、あわび、さわら、あいなめ、まぐろ、はまち、うに、とびっこ、いくら、たらこなどを贅の極みをつくした品々。食べすぎて胃が膨らむ。

温泉は客室から見える海を目の前にしながらの露天風呂で、このうえない贅沢だった。わたしは海が好きだ。露天風呂で、福島から来たというおばあちゃんと喋る。その後おばあちゃんとその旦那さんにロビーで再会したら、実はめっちゃセレブだった。

f:id:meteoxx:20170420045904j:plain

翌日、朝日が昇る4時58分にパチっと目が覚めて、これは撮らなあかんと寝ぼけながらカメラのシャッターを押した。早起きババア役得。そして朝日を見ながらまた温泉。

f:id:meteoxx:20170420093143j:plain

f:id:meteoxx:20170420090221j:plain

このホテルでは、震災以来継続して毎日被災地見学バスツアーを催行していたので、もちろん参加した。南三陸町には、本当に南三陸町という街があって人々が暮らしていたのか信じられなかった。自分のなかで、震災からまだ6年されど6年という気持ちがあって、被災地にはもう新しい街並みが出来てるんだろうと思ってたけど、沿岸部は街並みどころか、まだ土地のかさ上げの途中だった。家はひとつもない。街を一つつくるためには本当に長い時間が必要だということがよくわかった。

 

在来線に乗って移動するなかで一番驚いたことは、無人駅とワンマンカーの存在。乗ったことがないわけではないけど、仕組みがよくわからんな!この旅のためにつくったプレイリスト(コトリンゴとか大橋トリオとか二階堂和美とかくるりとかそれっぽい曲をならべた)を聞きながら、ゆっくりまったり揺られて乗換えたりしながら約2時間。

陸前小野駅に行く理由は一つ。昔テレビで見て惚れた人形のおのくんを迎えるためだ。

f:id:meteoxx:20170420131837j:plain

f:id:meteoxx:20170420132541j:plain

駅から仮設住宅のおのくんハウスまで徒歩約10分。風がものすごい。おのくんをつくっているお母さんたちに暖かくむかえられ、2体をかばんのなかに詰めて帰った。

 

  • 陸前小野から松島

f:id:meteoxx:20170420150155j:plain

f:id:meteoxx:20170420152846j:plain

電車で約30分の移動。これまでおばあちゃんおじいちゃんとしか会ってこなかった旅のなかで松島は唯一、若者(主にカップル)と外国人に会った場所だった。

まず観光ボランティアのおっちゃんにめっちゃ話しかけられ荷物を預ける。遊覧船のチケットを買い、次の船までぶらぶらと見て回る。

あれ、松島けっこう広い…。わたしここで3時間しか想定してなかったから、まさかこんな見るところあるとは思ってなかった。ここは、関西でいうと城崎みたいに、半日観光して夕方から温泉宿に泊まるというのがモデルコースみたいだ。

遊覧船、いうてただの島ですやん…。と最初は思ってたけど、奇妙な形の島は見てて結構おもしろかった。

f:id:meteoxx:20170420160442j:plain

その後、もうすでに滞在時間残り1時間。早歩きでねらっていた松華堂カフェに行く。カップルカップルおばちゃんカップル男子大学生に囲まれ、このときばかりは一人旅が少しさみしかったかもしれない。でもそんな感情にかまってる時間もないのでカステラとコーヒーを頼み堪能。

f:id:meteoxx:20170420162227j:plain

f:id:meteoxx:20170420162909j:plain

最後に瑞巌寺に行きたかったのだけど、拝観料と時間に負けて近くの円通院に参拝。ここでは縁結びのこけしが人気のようだった。ババア迷わず購入。一人で必死にこけしに願をかけるアラサー女、周りから見たらきっと完全に精神やられてると思われたことだろう。でもそんなことは自分の楽しみのためならどうでもよい。

今年から松島~空港間のバスが松島から出るようになったらしく、私はタイムリーにラッキーだった。さっき話したボランティアのおっちゃんがバスが来るまで一生懸命話しかけてきてくれた。さよなら松島とおっちゃん。

空港までのバスは添乗員さん付きという珍しいタイプで、到着までの10分ほどの間、若くて可愛いバスガイドのお姉ちゃんがババアに話しかけてきてくれる。どこから来たのかとか何しに来たのかとかここはおすすめとか。ババアその可愛さに感動。東北ガール最高。

仙台空港でようやく念願のずんだシェイク。わたし基本的に豆アレルギーでやばいと気道が腫れるからおそるおそる飲んだんだけど全然大丈夫だった。もしかすると花粉症対策で薬飲んでるからかもしれない。空港での駅弁は残念ながら完売だった。しょうがない、出張帰りのサラリーマンに譲ろう。こうしてわたしの小規模ながら大冒険のひとり旅は、静かに、けれど満足感いっぱいに終わった。

 

  • まとめ

f:id:meteoxx:20170505040222j:plain

とにかく3日間、ミスもあったけど、楽しくなかったことがない。飛行機、新幹線、BRT、高速バス、無人駅の在来線、レンタカー等色んな交通機関を使ったのも本当に楽しかった。遠距離のひとり旅は実は初めてだったけど、私たぶんめちゃくちゃ向いてる。もうどこでも行ける気がしてる。
今回行ったところはどこもアクセスが不便でかなりの気合を要するので、今後また行けるだろうかとも思うけど、ぜひまたなんらかの節目に行きたい。

ありがとう東北。そしてそこに住む人々。完全に東北ロスになって大阪に帰って、なんてゴミゴミしてて汚いところなんだ…と思ったけど、東北の人たちがそこに暮らしてるように、わたしもこの魔窟大阪で暮らしていこう。